渋川流十手術は笹森順造先生が自らの直伝兵法の最奥の無刀に至る上で絶対に必要な課程として残したものです。
勇気、中墨と間合い、拍子、目付、体の捌きなど、兵法に必要なものが全て凝縮されています。
渋川流十手術は笹森順造先生が自らの直伝兵法の最奥の無刀に至る上で絶対に必要な課程として残したものである。
弘前藩への伝来過程を師に尋ねる機会は逸したが、師により保存伝承されたことに間違いはない。伝書としては天明時代に二川原源太恵勝から佐藤仁太郎へ伝えられた澁川流十手術許之巻がある。(宮内 一記)
笹森順造から実技を受け継いだのは清野武治・宇津木輝勝・宮内一である。自邸内に創建した禮樂堂道場で、3名を教育して、その全伝を伝え、津軽藩伝来の小野派一刀流・直元流・神夢想林崎流と合わせて免許皆伝を与えた。宮内には昭和46年、伝承者指名の色紙と金盃を授与した。笹森ゆき子は、笹森順造の娘より子の娘で直系の孫である。三才から祖父の手ほどきを受けた。祖父の没後、伝承受命者清野・宇津木・宮内から指導相伝を受け、家伝として順造の理念と技を受け継いでいる。